トレーニング動画に合わせてみたものの、頭が1ミリも床から離れない…。あの絶望感、本当によく分かります。でも、安心してください。あなたが起き上がれないのは、筋力不足のせいではありません。ただ「始める順番」が違っただけなんです。この記事では、運動が苦手な方のために、専門家が実践する「お腹を目覚めさせる3つの準備運動」を解説します。読み終える頃には、なぜ起き上がれなかったのかが分かり、今日から安全に始められる「本当の第一歩」が踏み出せるようになります。
この記事は、筋トレやダイエットを始めたばかりの初心者の方に向けて
ケガや遠回りをせずに体を変えるための考え方と実践ポイントを
筆者自身の実体験をもとに解説しています。
[著者情報]
この記事を書いた専門家
田村(タムラ)
ボディメイク実践者 / 行動×身体構造アプローチ自身もかつては、自己流のダイエットやトレーニングで何度も遠回りを経験。
パーソナルトレーニングを受けながら、柔道整復師の専門的指導のもとで身体の使い方・回復・負荷設計を見直し、23kgの減量に成功。その成果として、2025年APF埼玉大会5位・全国11位を獲得。
「気合いや根性」ではなく、身体構造・回復・行動設計を重視した再現性のあるアプローチを強みとする。
トレーニング動画に合わせてみたものの、頭が1ミリも床から離れない…。あの絶望感、本当によく分かります。でも、安心してください。あなたが起き上がれないのは、筋力不足のせいではありません。ただ「始める順番」が違っただけなんです。この記事では、運動が苦手な方のために、専門家が実践する「お腹を目覚めさせる3つの準備運動」を解説します。読み終える頃には、なぜ起き上がれなかったのかが分かり、今日から安全に始められる「本当の第一歩」が踏み出せるようになります。
【衝撃の事実】腹筋で起き上がれない…その原因は「腹筋の弱さ」ではなかった
「腹筋が1回もできなくて…私だけできないんでしょうか?」というご質問を本当によくいただきますが、全くそんなことはありません。むしろ、多くの方が同じ経験をしています。そして、ほとんどの場合、起き上がれない根本的な原因は、腹筋が極端に弱いことではないのです。
本当の原因は、デスクワーク中心の生活で固まってしまった、次の2つの筋肉や関節にあります。
- デスクワークで縮こまった股関節の筋肉(腸腰筋)
座っている時間が長いと、太ももの付け根にある腸腰筋(ちょうようきん)という筋肉が縮んだまま硬くなります。この腸腰筋は、上体を起こす動作の際に腹筋を補助する役割がありますが、硬くなりすぎると腹筋よりも先に過剰に働いてしまい、起き上がる動作のブレーキ役になってしまうのです。頑張ると腰が痛くなる場合、この腸腰筋が原因である可能性が非常に高いです。 - PC作業で固まった背中(胸椎)
腹筋で起き上がる時、背骨はしなやかに丸まる必要があります。しかし、長時間PC作業などをしていると、背中の特に胸のあたり(胸椎)が丸まった状態で固まってしまいます。この胸椎の柔軟性、つまり胸椎の可動性が低いと、背骨がスムーズに丸まらず、起き上がる動作自体が物理的に難しくなるのです。
つまり、あなたが感じていた挫折感は、体の特定の筋肉が硬くなっていたサイン。決してあなたの運動神経や筋力のせいではなかったのです。
昔ながらの腹筋は危険?プロが実践する「お腹を目覚めさせる」新常識
多くの方が「腹筋運動」と聞いてイメージする、両手で頭を抱えて勢いよく起き上がる運動(シットアップ)は、実は運動初心者の方にはあまりお勧めできません。先ほど解説した腸腰筋を過剰に使ってしまい、腰を痛めるリスクが高いからです。
ここで理解していただきたいのが、お腹の筋肉の構造です。お腹の筋肉は、家で例えるなら「土台」と「壁」の二重構造になっています。
- 壁(腹直筋): いわゆる「シックスパック」と呼ばれる、体の表面にある筋肉です。
- 土台(腹横筋): お腹の最も深層にあり、コルセットのようにお腹周り全体を支える、体幹安定の要となる筋肉です。
多くの方がいきなり「壁」である腹直筋を鍛えようとしますが、その下の「土台」である腹横筋が眠ったままでは、家が安定しないのと同じで、効果的なトレーニングはできません。プロが実践するアプローチは、まずこの腹横筋という土台をしっかり固めることから始めます。見えない腹筋(腹横筋)を先に鍛えることが、結果的に見える腹筋(腹直筋)への一番の近道なのです。

今日からできる!腰を痛めない「3つの準備運動」完全ガイド
さあ、ここから一緒に体を動かしてみましょう!いきなり起き上がる必要は全くありません。あなたの体に眠っているお腹の筋肉を目覚めさせる、安全で簡単な3つのステップをご紹介します。
ステップ1【ほぐす】:股関節の前側を伸ばす「腸腰筋ストレッチ」
まずは、起き上がる動作のブレーキ役になっている腸腰筋を、気持ちよく伸ばしてリセットしましょう。
- 床に右膝をつき、左膝を90度に曲げて立てます。
- 両手を左膝の上に置き、背筋を伸ばします。
- 息を吐きながら、ゆっくりと体重を前に移動させ、右足の付け根が伸びるのを感じます。
- 気持ちいいと感じるポイントで30秒キープし、深い呼吸を繰り返します。
- 反対側も同様に行います。
⚠️ よくある間違い
腰を反らせすぎると、効果が半減してしまいます。お腹に軽く力を入れて、骨盤を立てたまま行うのがポイントです。
ステップ2【目覚めさせる】:お腹を凹ませる「ドローイン」と「骨盤後傾」
次に、お腹の天然コルセットである腹横筋にスイッチを入れる練習です。この感覚を掴むことが、この記事で最も重要なゴールです。
- 仰向けに寝て、両膝を立てます。足は腰幅に開きましょう。
- 両手をおへその下にそっと置きます。
- 鼻から息を吸ってお腹を膨らませます。
- 口から「ふーっ」と細く長く息を吐きながら、おへそを背骨に近づけるように、お腹を薄く凹ませていきます。
- 息を吐ききった時、お腹が硬くなっているのを手で確認できれば成功です。
- このお腹を凹ませた状態から、さらに腰で床を軽く押すように骨盤後傾させてみましょう。床と腰の隙間が埋まる感覚があれば完璧です。
- この動作を10回繰り返します。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 回数よりも、「お腹が薄くなる感覚」を1回でも感じることが大切です。
なぜなら、このドローインという動きは、見た目は地味ですが、全ての腹筋運動の基礎となる最も重要な動きだからです。多くの方がこのステップを飛ばしてしまいがちですが、この「お腹に効く感覚」を知っているかどうかで、今後のトレーニング効果が全く変わってきます。
ステップ3【動きを繋げる】:仰向けのままできる「デッドバグ」
最後に、「ほぐす」「目覚めさせる」の動きを連動させて、安全な腹筋運動に挑戦してみましょう。
- 仰向けに寝て、両膝を90度に曲げて持ち上げます。両腕は天井に向けてまっすぐ伸ばします。(虫がひっくり返ったような姿勢)
- ステップ2のドローインを意識し、お腹を薄くして腰と床の隙間を埋めます。
- 息を吐きながら、右腕と左脚を、床につかないギリギリの位置までゆっくりと下ろしていきます。この時、お腹の力が抜けて腰が反らないように注意してください。
- 息を吸いながら、ゆっくりと元の位置に戻ります。
- 次は反対の左腕と右脚を同様に下ろします。
- 左右交互に、合計10回行いましょう。
腹筋運動のよくある質問(FAQ)
Q. 準備運動は何回やればいいですか?
A. まずは回数を目標にする必要はありません。各種目、10回ずつを目安に、それよりも「正しい筋肉が使えているか」「気持ちよく伸びているか」という感覚を大切にしてください。特にステップ2のドローインは、日常生活の中で気づいた時に行ってみるのも効果的です。
Q. いつか起き上がれるようになりますか?
A. はい、もちろんです。今回ご紹介した準備運動を続けることで、体の正しい使い方が身につき、眠っていた腹筋が目覚めてきます。焦らずにこの「準備」を続けることが、結果的に上体起こし(シットアップ)への一番の近道になります。
Q. 毎日やらないとダメですか?
A. 毎日できれば理想的ですが、プレッシャーに感じる必要はありません。まずは週に2〜3回から始めてみましょう。「やらない日」があっても自分を責めず、「できた日」の自分を褒めてあげてください。継続することが何よりも大切です。
まとめ:あなたの体は、今日から変わる
腹筋で起き上がれないのは、あなたのせいではありません。大切なのは「ほぐす→目覚めさせる→鍛える」という正しい順番です。今日、この記事を読んで「3つの準備運動」を知ったあなたは、もう運動初心者ではありません。正しいスタートラインに立った、賢いトレーニーです。
まずは1週間、寝る前にステップ2の「ドローイン」だけを試してみませんか?それが、あなたの体を変える最も確実な第一歩になります。
[参考文献リスト]
- ヨガジャーナル日本版: 「【腹筋トレーニングで上半身を起こせない人】運動前に行うだけで変わる!背骨柔らか1分ストレッチ」
- REAL WORKOUT: 「腹筋ができない理由は?簡単にできる腹筋方法も紹介」
- ピラティススタジオH&C Life: 「腹筋で起き上がれない理由は反り腰?原因・症状と筋トレ」



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