この記事は、筋トレやダイエットを始めたばかりの初心者の方に向けて
ケガや遠回りをせずに体を変えるための考え方と実践ポイントを
筆者自身の実体験をもとに解説しています。
増量経験と整骨院パーソナルの知識を踏まえ、
初心者が注意すべきバルクアップ計画まとめました。
[著者情報]
この記事を書いた専門家
田村(タムラ)
ボディメイク実践者 / 行動×身体構造アプローチ自身もかつては、自己流のダイエットやトレーニングで何度も遠回りを経験。
パーソナルトレーニングを受けながら、柔道整復師の専門的指導のもとで身体の使い方・回復・負荷設計を見直し、23kgの減量に成功。その成果として、2025年APF埼玉大会5位・全国11位を獲得。
「気合いや根性」ではなく、身体構造・回復・行動設計を重視した再現性のあるアプローチを強みとする。
半年間の筋トレ、お疲れ様です。鏡を見るたび「頑張ってるのに、なぜか変われない…」とため息をついていませんか?その停滞感、あなたの努力不足ではありません。実は、9割の初心者が陥る“あるワナ”が原因です。この記事は、そんなあなたの半年間の努力を、科学的な増量計画へと変換し、半年後には「体、変わったね」と言われる未来を約束する、日本一やさしいロードマップです。この記事を読めば、停滞の原因が明確になり、明日から何をすべきかが具体的にわかります。
なぜあなたの半年間の筋トレは「停滞」したのか?9割の初心者が陥る3つの誤解
半年間もトレーニングを継続できたこと、それは本当に素晴らしいことです。まずはその努力を、自分自身でしっかりと認めてあげてください。
その上で、なぜ体が変化しなかったのか。僕も昔、全く同じ壁にぶつかりました。当時の僕は、「とにかくたくさん食べろ」「とにかくプロテインを飲め」というアドバイスを信じて、ただがむしゃらにお米と鶏肉を詰め込み、毎日同じ重さのダンベルを上げて満足していました。結果は、少しお腹が出ただけ。筋肉が大きくなることはありませんでした。
あなたも、もしかしたら心当たりがありませんか?この経験から断言できるのは、あなたの停滞の原因は、才能や努力の量ではなく、よくある3つの誤解に基づいた、ほんの少しの“知識のズレ”にあるということです。
- 誤解①:「とにかく食べれば筋肉になる」という思い込み
- 誤解②:「プロテインさえ飲めば筋肉はつく」という期待
- 誤解③:「同じトレーニングを繰り返せば筋肉は成長する」という勘違い
これらの誤解は、あなただけがしているわけではありません。僕がこれまで見てきた多くの初心者の方が、同じワナにはまっていました。でも、安心してください。この記事で、その誤解を一つひとつ解きほぐし、あなたの努力が正しく報われる道筋を示します。
停滞打破の鍵は3つだけ。科学が示す「筋肉が増える」絶対条件
小難しい理論は一旦置いておきましょう。あなたの停滞を打ち破り、筋肉を効率的に増やすために本当に重要なことは、たった3つの絶対条件に集約されます。
- 【絶対条件1】 カロリー収支をプラスにする
- 【絶対条件2】 筋肉の材料とエネルギーを十分に摂る
- 【絶対条件3】 筋肉に「もっと成長しろ」と命令する
これら3つが、科学的に証明された筋肥大の原則です。一つずつ、あなたの体に何が必要なのかを見ていきましょう。
まず、最も重要なのが【絶対条件1】カロリー収支をプラスにすることです。私たちの体は、車がガソリンで動くように、カロリーというエネルギーで活動しています。筋肉を増やすという行為は、いわば体を「増築」するようなもの。日々の活動で使うエネルギーに加えて、増築のための”余分な”エネルギーがなければ、体は筋肉を作ることができません。
この日々の活動で消費するエネルギー量を「総エネルギー消費量(TDEE)」と呼びます。TDEEの算出が、あなたの増量計画の全ての始まりです。TDEEを上回るカロリーを摂取して初めて、体は増量モードのスイッチを入れてくれるのです。

次に、【絶対条件2】筋肉の材料とエネルギーを十分に摂ること。ただカロリーを摂るだけでは、効率的に筋肉はつきません。ここで重要になるのが、「PFCバランス」、つまりタンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)のバランスです。タンパク質が筋肉の直接の材料であることは有名ですが、そのタンパク質を筋肉に合成するためのエネルギー源として炭水化物が不可欠です。このTDEEとPFCバランスの関係性を理解することが、質の高い増量につながります。
そして最後に、【絶対条件3】筋肉に「もっと成長しろ」と命令すること。これが筋トレの役割です。しかし、ただトレーニングをするだけでは不十分。筋肉は賢いので、同じ刺激にはすぐに慣れてしまいます。そこで「漸進性過負荷の原則」という考え方が登場します。これは「常に前回より少しだけ強い負荷をかける」という原則で、この刺激こそが筋肉に「このままじゃダメだ、もっと強くならなきゃ!」と思わせる命令になります。この命令によって筋繊維がわずかに傷つき、栄養と休養によって以前より少しだけ強く太く修復される現象が「超回復」です。漸進性過負荷が原因となり、超回復という結果が引き起こされることで、あなたの体は着実に変わっていくのです。
【明日から実践】あなたのための増量ロードマップ:食事編&トレーニング編
理論がわかったら、次はいよいよ実践です。明日から拓也さんが具体的に何をすべきか、食事とトレーニングに分けて、ステップ・バイ・ステップで解説します。
食事編:計算して、計画的に食べる
感覚で食べるのは今日で終わりにしましょう。まずは3つのステップで、あなたの食事を科学的な増量計画に変えていきます。
ステップ1:あなたのTDEE(総エネルギー消費量)を知る
まずは、増量のスタートラインであるあなたのTDEEを計算します。以下のリンクのようなTDEE計算サイトに、年齢、性別、身長、体重、そして「デスクワーク中心」といった活動量を入力してください。
[参考] TDEE計算サイト (例)
https://example-tdee-calculator.com
例えば、拓也さんのTDEEが 2,400kcal だったとします。増量のためには、この数値に +300〜500kcal を上乗せしたカロリーを毎日摂取することを目指します。つまり、目標摂取カロリーは 2,700〜2,900kcal となります。
ステップ2:目標PFCバランスを計算する
次に、目標摂取カロリーをPFCに振り分けます。初心者は以下の黄金バランスから始めるのがおすすめです。
- タンパク質 (P): 体重(kg) × 1.6〜2.2g。筋肉の主材料です。(例: 体重60kgなら96〜132g)
- 脂質 (F): 総カロリーの20〜25%。ホルモンバランスを整える重要な役割があります。(例: 2,800kcalなら560〜700kcal分)
- 炭水化物 (C): 残りのカロリーすべて。トレーニングの主要なエネルギー源です。
ステップ3:食べるものを計画する
計算ができたら、あとは食べるだけです。とはいえ、毎日完璧な食事を用意するのは大変ですよね。そこで重要になるのが、増量における食事アプローチの選択です。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 最初は完璧を目指さず、「1日5食」を目標に、コンビニも賢く利用しましょう。
なぜなら、多くの初心者は「完璧な自炊」を目指して挫折してしまうからです。僕もそうでした。大切なのは継続すること。おにぎりやサラダチキン、ゆで卵、ヨーグルトなど、今の時代はコンビニでも優秀な増量食が手に入ります。まずは食事回数を増やして、目標カロリーをクリアする習慣をつけることから始めましょう。
あなたはどっち?「クリーンバルク」と「ダーティバルク」
| 特徴 | クリーンバルク | ダーティバルク |
|---|---|---|
| 食事内容 | 鶏胸肉、魚、玄米、野菜など、健康的で加工度の低い食品が中心 | ピザ、ハンバーガー、菓子など、高カロリーなものを気にせず食べる |
| メリット | ・余計な脂肪がつきにくい ・健康的 | ・手軽にカロリーを摂取できる ・精神的なストレスが少ない |
| デメリット | ・食事の準備や管理が大変 ・コストがかかりがち | ・脂肪がつきやすい ・健康を害するリスクがある |
| おすすめな人 | 初心者であるあなた、健康的に体を変えたい人 | もともと食が極端に細い人、とにかく体重を増やしたい上級者 |
トレーニング編:記録して、昨日を超える
トレーニングの目的は、筋肉に「成長しろ」と命令することでしたね。そのために最も重要な「漸進性過負荷の原則」を実践するための具体的なプログラムを紹介します。
基本の考え方:週3回の全身トレーニング
初心者のうちは、部位を細かく分けるより、全身をバランスよく鍛える方が成長ホルモンの分泌も促され、効率的です。まずは週3回(例:月・水・金)のトレーニングを目標にしましょう。
メニューの主役:BIG3(コンパウンド種目)
コンパウンド種目とは、複数の関節と筋肉を同時に使うトレーニングのことです。特に「ベンチプレス(胸)」「スクワット(脚)」「デッドリフト(背中)」はBIG3と呼ばれ、全身の筋肉を効率よく成長させる王道の種目です。これらのコンパウンド種目は、テストステロンなどのアナボリックホルモンの分泌を促し、筋肥大を加速させる効果も期待できます。
【週3回実践プログラム(例)】
- ウォームアップ (5分): 軽いジョギング、動的ストレッチ
- スクワット: 8〜12回 × 3セット
- ベンチプレス: 8〜12回 × 3セット
- デッドリフト (または懸垂): 8〜12回 × 3セット
- ショルダープレス: 10〜15回 × 3セット
- アームカール (力こぶ): 10〜15回 × 2セット
- クールダウン (5分): 静的ストレッチ
最も重要なこと:トレーニング記録をつける
前回何kgを何回できたか、記録がなければ漸進性過負荷は実践できません。スマホのメモ帳でも専用アプリでも構いません。必ず記録をつけ、「前回8回だったから、今日は9回を目指そう」「10kgをクリアできたから、次は10.5kgに挑戦しよう」と、常に昨日を超える意識を持ちましょう。この小さな積み重ねが、半年後の大きな変化を生み出します。
よくある質問(FAQ):増量のギモン、先輩トレーナーが全部答えます
Q1. プロテインは絶対に必要ですか?
A1. 必須ではありませんが、非常に便利なツールです。食事だけで1日に必要なタンパク質(体重×2gなど)を摂取するのは、特に食が細い人には大変です。プロテインは、低脂質・低カロリーで効率的にタンパク質を補給できるので、目標達成を強力にサポートしてくれます。特にトレーニング直後や、食事が摂れない時の間食として活用するのがおすすめです。
Q2. 増量中は、有酸素運動は本当にやらない方がいいですか?
A2. やりすぎは禁物ですが、ゼロにする必要はありません。ウォーキングなどの軽い有酸素運動は、心肺機能の維持や血行促進、食欲増進にも繋がります。ただし、長時間のランニングなどは多くのカロリーを消費し、筋肉の分解(カタボリック)を招く可能性があるので、増量期は週1〜2回、30分程度に留めておくのが賢明です。
Q3. 脂肪がついてお腹だけ出てしまうのが怖いです…
A3. その気持ち、よくわかります。増量期にある程度の脂肪がつくのは避けられませんが、最小限に抑える方法はあります。ポイントは、急激に体重を増やしすぎないことです。1ヶ月の増量幅を体重の1〜2%程度に抑え、先ほど紹介した「クリーンバルク」を心がけることで、筋肉の成長を優先させることができます。焦らず、着実に進めていきましょう。
まとめ: 停滞を乗り越えた先に、理想の体が待っている
この記事でお伝えしたかった、停滞を打破するための最も重要なポイントをもう一度確認しましょう。
- カロリーを科学する: まずは自分のTDEEを知り、「消費カロリー < 摂取カロリー」の状態を意図的に作り出すこと。
- 栄養を計画する: PFCバランスを意識し、筋肉の「材料(タンパク質)」と「エネルギー(炭水化物)」の両方を満たすこと。
- トレーニングを更新する: 「漸進性過負荷の原則」に従い、常に記録をつけ、昨日の自分を少しだけ超え続けること。
半年間のあなたの努力は、決して無駄ではありませんでした。その努力は、この記事に書かれている知識の価値を、誰よりも深く理解するための大切な準備期間だったのです。今日から、あなたの努力は確実に成果に繋がります。半年後の自分を楽しみに、まずはその第一歩を踏み出しましょう!
まずは、あなたのTDEEを計算してみることから始めましょう!
[参考文献リスト]
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
- NSCAジャパン「NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識」



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