ジムに入会したものの、周りの経験者と比べてしまって「自分はいったい何キロで何回トレーニングすればいいんだ…?」と不安になっていませんか?
すごく分かります。僕も筋トレを始めた頃、周りのムキムキの人たちを見て焦って、めちゃくちゃなフォームでベンチプレスをやって肩を痛めたことがあるんですよ。だからこそ、あなたには遠回りしてほしくない。
ご安心ください。もしあなたの目的が筋肥大(筋肉を大きくすること)なら、回数の答えはシンプルです。基本的には「8〜12回」でOKです。
この記事では、難しい科学の話は一切抜きにして、元・運動オンチのパーソナルトレーナーである僕、伊藤が、あなたが明日から迷わず実践できる「自分だけの適切な重量の見つけ方」を、たった3つのステップだけで解説します。
この記事を読み終える頃には、ネットの情報に惑わされることなく、自信を持って次回のトレーニングに臨めるようになっているはずです。
この記事は、筋トレやダイエットを始めたばかりの初心者の方に向けて
ケガや遠回りをせずに体を変えるための考え方と実践ポイントを
筆者自身の実体験をもとに解説しています。
[著者情報]
この記事を書いた専門家
田村(タムラ)
ボディメイク実践者 / 行動×身体構造アプローチ自身もかつては、自己流のダイエットやトレーニングで何度も遠回りを経験。
パーソナルトレーニングを受けながら、柔道整復師の専門的指導のもとで身体の使い方・回復・負荷設計を見直し、23kgの減量に成功。その成果として、2025年APF埼玉大会5位・全国11位を獲得。
「気合いや根性」ではなく、身体構造・回復・行動設計を重視した再現性のあるアプローチを強みとする。
なぜ、あなたの筋トレは「やっている感」で終わってしまうのか?
パーソナルトレーナーとして活動していると、入会したばかりの方から最も頻繁に受ける質問があります。それは、「とりあえず10回3セットやってるんですが、これで合ってますか?」というものです。
この質問の裏には、「自分の努力が間違っていないか、時間を無駄にしていないか」という切実な不安が隠れているんですよね。
そして、多くの初心者が陥ってしまう失敗パターンは、大きく分けて2つあります。
- 周りの目を気にして、重すぎる重量を扱ってしまうケース。
これでは正しいフォームが崩れてしまい、狙った筋肉に効かないばかりか、怪我をするリスクが非常に高くなります。 - 逆に、軽すぎる重量で安心してしまい、全く筋肉への刺激になっていないケース。
これでは何セット繰り返しても、残念ながら筋肉は「大きくなる必要がない」と判断してしまいます。
どちらのケースも、貴重な時間と労力が「なんとなく疲れた」という「やっている感」だけで終わってしまいがちです。でも、大丈夫。あなただけではありません。ほとんどの人が通る道であり、今日ここで解決策をしっかりお伝えします。
結論:筋肥大の最短ルートは「8〜12回で限界の重さ」を見つけること
では、なぜ筋肥大には「8〜12回」が最適なのでしょうか。
それは、筋肉が大きくなるための「スイッチ」と深い関係があります。筋肉は、重いものを持ち上げようとするときに生まれる強い物理的な張力、いわゆるメカニカルテンションに反応して、「もっと強くならなきゃ!」と判断し、成長を始めます。このメカニカルテンションこそが、筋肥大の最も重要なスイッチなのです。
そして、数多くの研究から「8〜12回でギリギリ限界がくる重さ」が、このスイッチを入れるために最も効率的であることが分かっています。
- 5回しかできない重さ:筋力(出せるパワー)を伸ばすのに最適ですが、筋肥大の効率では少し劣ります。
- 20回以上できる重さ:筋持久力(スタミナ)はつきますが、筋肉を大きくするための刺激としては弱すぎます。
つまり、あなたの目的(筋肥大)を達成するためには、この「8〜12回」という回数でトレーニングできるあなただけの適切な重量を見つけることが、何よりも重要になります。そのための具体的な方法が、次にご紹介する「RM法」です。RM法は、筋肥大のスイッチであるメカニカルテンションを効果的にかけるための、最も信頼できる重量設定の手段と言えるでしょう。

【明日から実践】自分だけの重量を見つける「3ステップRM法」
お待たせしました!ここからが本題です。あなたが明日からジムで実践できる、自分だけの適切な重量を見つけるための具体的な3つのステップをご紹介します。この方法はRM法(Repetition Maximumの略で、最大反復回数の意味)に基づいた、誰でもできるやり方です。
Step 1: ウォームアップと「正しいフォーム」の確認
重量を設定する前に、絶対に守ってほしいことがあります。それは、各種目の正しいフォームを身につけることです。正しいフォームは、RM法を安全かつ効果的に実践するための大前提となります。
まずは非常に軽い重量、あるいはバーベルのバーだけで、各種目の動きを丁寧に確認しましょう。YouTubeの解説動画を見たり、ジムのトレーナーに一度見てもらうのが理想です。
Step 2: 「10回前後で限界」の重さを探す
正しいフォームを意識できるようになったら、いよいよあなたにとっての「10RM(10回ギリギリ反復できる重さ)」を探す冒険に出ましょう。
- まず、ウォーミングアップで使った軽い重量で10回やってみます。「まだまだ余裕だな」と感じるはずです。
- 少し休憩(1〜2分)を挟み、プレートを少しだけ(例:2.5kg〜5kg)足して、また10回やってみます。
- これを繰り返し、「10回目がかなりキツいけど、なんとかギリギリ挙げられた!」という重さを見つけます。
- その重さが、今のあなたの筋肥大トレーニングのスタートラインとなる重量です。
もし12回以上できてしまうなら、もう少し重く。もし8回もできないなら、少し軽く調整しましょう。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 重さを追いかけるのではなく、「効いている感覚」を追いかけてください。
なぜなら、多くの初心者が、重い重量を挙げたいという気持ち(エゴ)に負けて、フォームを崩してしまうからです。僕もそうでした。しかし、筋肥大で本当に大切なのは、狙った筋肉がしっかり使われているという「効いている感覚」です。たとえ軽い重量でも、正しいフォームでその感覚を掴むことこそが、成長への一番の近道になります。
Step 3: 成長し続けるための「トレーニング記録」をつける
適切な重量が見つかったら、最後のステップです。それは、トレーニングの記録をつけること。
なぜなら、筋肉は同じ刺激にすぐに慣れてしまうからです。筋肉を成長させ続けるには、常に「前回よりも少しだけ強い刺激」を与える必要があります。これを漸進性過負荷の原則と呼び、筋トレにおける最重要原則です。
RM法で見つけた現在地(扱うべき重量)から、この漸進性過負荷の原則に従って少しずつ負荷を上げていくことが、あなたの体を確実に変えていきます。
記録は、スマートフォンのメモアプリで十分です。
- 日付
- 種目名
- 重量(kg)
- 回数(レップ数)
- セット数
このように記録をつけることで、次回のトレーニングで「前回は10回できたから、今日は11回を目指そう」あるいは「同じ回数で、1kgだけ重くしてみよう」という明確な目標ができます。この記録は、まさに「次回の自分への挑戦状」なのです。

よくある質問(FAQ)
最後に、トレーニング初心者の皆さんからよくいただく質問にお答えします。
Q1. セット数や休憩時間(インターバル)はどれくらいが良いですか?
A1. まずは3セットを目標にしましょう。セット間のインターバル(休憩時間)は、1分〜2分を目安に取ると、筋肥大に効果的です。息が整い、次のセットに集中できるくらいの時間を確保してください。
Q2. 毎回、限界まで追い込むべきですか?
A2. いいえ、必ずしもその必要はありません。特に初心者のうちは、「もう絶対に1回も挙がらない!」という状態まで追い込むと、フォームが崩れて怪我のリスクが高まります。「あと2回なら、なんとか挙げられるかな」という少しの余力を残して終えるくらいが、安全かつ効果的です。この考え方をRIR(Reps in Reserve)と言い、覚えておくと便利です。
Q3. トレーニングの頻度は週に何回がベストですか?
A3. まずは週に2〜3回から始めるのがおすすめです。筋肉は、トレーニングで傷ついた筋繊維が休息と栄養によって回復する過程(超回復)で大きくなります。全身のトレーニングをしたら、筋肉を休ませるために48〜72時間は空けるようにしましょう。
Q4. 食事やプロテインについても知りたいです。
A4. 素晴らしい質問です。トレーニングと同じくらい、栄養、特にタンパク質は重要です。タンパク質は筋肉の材料になる栄養素なので、トレーニング後はもちろん、毎日の食事でしっかり摂取することを心がけてください。体重1kgあたり1.5g〜2.0gのタンパク質摂取が推奨されています。食事だけで足りない分をプロテインで補うのが賢い方法です。
まとめ:さあ、自信を持って次のトレーニングへ!
もう一度、今日お伝えした大切なことだけを繰り返します。
- 回数は「8〜12回」が基本。
- そのための重量を「3つのステップ」で見つける。
- そして「前回の自分に少しだけ勝つ」ことを目指して記録する。
たったこれだけです。
もう、あなたは情報に振り回される必要はありません。あなたは今日、自分の体と対話しながら着実に成長していくための、一生使えるコンパスを手に入れました。
さあ、次のジムでは、まずベンチプレスかスクワットで、あなただけの「8〜12回の重さ」を見つける冒険に出てみましょう!あなたの挑戦を、心から応援しています。
[参考文献リスト]
参考文献
- レジスタンス運動 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
- NSCAジャパン – NSCA Japan 公式サイト
- 【山本義徳 監修】筋肥大に最適なトレーニングの頻度・回数・セット数は? – VALX COLUMN
- 筋肥大のメカニズムと効率的に行うトレーニング方法、栄養摂取のポイントを解説 – グリコ パワープロダクション マガジン



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