この記事は、筋トレやダイエットを始めたばかりの初心者の方に向けて
ケガや遠回りをせずに体を変えるための考え方と実践ポイントを
筆者自身の実体験をもとに解説しています。
腰を痛めた経験と整骨院パーソナルの知識を踏まえ、
初心者が最初に注意すべきポイントを30日単位でまとめました。
[著者情報]
この記事を書いた専門家
田村(タムラ)
ボディメイク実践者 / 行動×身体構造アプローチ自身もかつては、自己流のダイエットやトレーニングで何度も遠回りを経験。
パーソナルトレーニングを受けながら、柔道整復師の専門的指導のもとで身体の使い方・回復・負荷設計を見直し、23kgの減量に成功。その成果として、2025年APF埼玉大会5位・全国11位を獲得。
「気合いや根性」ではなく、身体構造・回復・行動設計を重視した再現性のあるアプローチを強みとする。
1日8時間のデスクワーク、本当にお疲れ様です。夕方になるとズーンと重くなる腰、何とかしたいけど、下手に動かして悪化したら怖い…。そんなあなたのための記事です。
結論から言います。腰痛改善に必要なのは、たくさんの筋トレではありません。この記事では、私が、多くの情報に迷うあなたのために「最も安全で効果的な3つの運動」だけを厳選し、失敗しないための「最初の30日ロードマップ」を提案します。
この記事を読めば、もう迷うことはありません。今日から自信を持って、腰痛改善への第一歩を踏み出せます。
なぜあなたの腰痛は改善しない?デスクワーカーが陥る「筋トレの罠」
「田村さん、頑張って腹筋しているのに、なぜか腰が痛いんです…」という相談を本当によく受けます。良かれと思って始めた筋力トレーニングが、実は腰痛を悪化させる罠になっているケースは少なくありません。
この問題の根本には、長時間のデスクワークという生活習慣が引き起こす、特有の筋肉のアンバランスがあります。私たちの体は、家の構造によく似ています。見た目を飾る壁や柱が「アウターマッスル」、そして家全体を支える見えない土台が「インナーマッスル」です。
長時間のデスクワークは、この家の土台であるインナーマッスルを使わないため、どんどん弱らせてしまいます。その状態で、壁や柱であるアウターマッスル、つまり一般的な腹筋や背筋だけを闇雲に鍛えようとするとどうなるでしょうか。土台がグラグラな家に、重い家具を置くようなものです。家はさらに不安定になり、歪んでしまいます。
特に注意が必要な筋力トレーニングは、学生時代に体力テストで行ったような上半身を大きく起こす腹筋運動です。この運動は、インナーマッスルが眠ったままの腰痛初心者が行うと、腰の骨(腰椎)に過剰な圧迫ストレスをかけてしまい、症状を悪化させるリスクが非常に高いのです。
もう迷わない!腰痛改善の最短ルートは「3つのインナーマッスル」を鍛えること
では、どうすれば安全に腰痛を改善できるのか。その答えは、家の「基礎工事」から始めることです。つまり、体幹の深層部にあって背骨や骨盤を直接支えるインナーマッスルを、正しい順番で目覚めさせることが最短ルートになります。
数あるインナーマッスルの中でも、腰痛改善の鍵となる「3つの重要筋」が存在します。
- 腹横筋(ふくおうきん): お腹周りをコルセットのように包み込み、体幹を安定させる「天然のコルセット」。
- 多裂筋(たれつきん): 背骨一つひとつに付着し、背骨の安定性を高める「背骨の安定装置」。
- 大臀筋(だいでんきん): 骨盤を後ろから支え、正しい姿勢を維持する「骨盤の土台」。
これらのインナーマッスルがしっかり働くことで、背骨や骨盤は正しい位置に安定します。その結果、デスクワークでかかる腰への負担を軽減し、痛みの根本原因にアプローチできるのです。

今日から始める!安全・簡単な腰痛改善トレーニング3選
ここからは、先ほど解説した3つの重要筋を安全に鍛えるための、具体的な運動を3つご紹介します。写真を見ながら、一つひとつの動きを丁寧に行ってみてください。
Step1. 腹横筋を目覚めさせる「ドローイン」
- 目的: 「天然のコルセット」である腹横筋を活性化させるための、最も基本的で重要な運動です。ドローインは、腹横筋を安全に目覚めさせるための最適な手法です。
- 正しいやり方:
- 仰向けになり、両膝を軽く立てます。リラックスして、体の力を抜きましょう。
- ゆっくりと息を吐きながら、おへそを背骨に近づけるように、お腹をゆっくりとへこませていきます。
- お腹をへこませた状態で、浅い呼吸を続けながら10〜30秒キープします。
- 回数・頻度の目安: 10〜30秒キープを1セットとし、1日に5〜10セット行いましょう。
- よくある間違いとコツ: お腹をへこませる際に、息を止めないように注意してください。また、腰が反ったり、肩に力が入りすぎたりしないよう、あくまでお腹の奥だけを意識するのがコツです。
床が固い場合は腰を痛めてしまうので厚手のヨガマットを使用するようにしましょう。私はAmazonで購入いたしました。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: ドローインは「回数」よりも「質」を重視してください。お腹の奥にキュッと力が入る感覚を掴むことが最優先です。
なぜなら、この感覚が分からないまま他の運動に進んでも、インナーマッスルがうまく使えず効果が半減してしまうからです。多くの患者さんが回数をこなすことに集中しがちですが、最初の1週間は「お腹の奥の筋肉って、これか!」という感覚を掴むことだけを目標にしてください。この知見が、あなたの成功の助けになれば幸いです。
Step2. 背骨を安定させる「バードドッグ」
- 目的: 「背骨の安定装置」である多裂筋を鍛え、体の軸を安定させる運動です。バードドッグは、背骨を支える多裂筋を安定的に強化するのに適した手法です。
- 正しいやり方:
- 肩の真下に手、股関節の真下に膝がくるように四つん這いになります。
- ドローインでお腹に軽く力を入れたまま、右手と左足を、床と平行になる高さまでゆっくりと持ち上げます。
- 体がぐらつかないようにバランスを取りながら、その姿勢で5秒キープします。
- ゆっくりと元の位置に戻り、今度は反対側(左手と右足)も同様に行います。
- 回数・頻度の目安: 左右交互に10回ずつを1セットとし、1日に2〜3セット行いましょう。
- よくある間違いとコツ: 手足を高く上げすぎると腰が反ってしまい、かえって負担がかかります。頭からかかとまでが一直線になるように、高さを意識してください。
Step3. 骨盤を支える「ヒップリフト」
- 目的: 「骨盤の土台」である大臀筋を鍛え、姿勢を安定させる運動です。ヒップリフトは、骨盤を支える土台である大臀筋を強化し、腰への負担を軽減する手法です。
- 正しいやり方:
- 仰向けになり、両膝を90度くらいに立てます。足は肩幅に開きましょう。
- お尻の筋肉を意識しながら、肩から膝までが一直線になるように、ゆっくりと腰を持ち上げます。
- その位置で5秒キープし、ゆっくりと元の位置に戻ります。
- 回数・頻度の目安: 10〜15回を1セットとし、1日に2〜3セット行いましょう。
- よくある間違いとコツ: 腰を高く上げすぎると、腰が反って痛みの原因になります。お尻の筋肉がキュッと締まるのを感じる高さで十分です。
失敗させないための「最初の30日」実践ロードマップ
ご紹介した3つの運動を習慣化し、失敗なく続けていただくための「30日間ロードマップ」をご用意しました。焦らず、完璧を目指さないでください。大切なのは、まず始めること、そして続けることです。
腰痛改善「最初の30日」ロードマップ
| 週 | メイン目標 | 取り組む種目 | アドバイス |
|---|---|---|---|
| 1週目 | 感覚を掴む | ① ドローイン | まずは「お腹の奥に力が入る」感覚を掴むことだけに集中。毎日5セットできれば満点です。 |
| 2週目 | 軸を安定させる | ① ドローイン ② バードドッグ | ドローインの感覚を保ったまま、バードドッグを追加。体のブレをなくすことを意識しましょう。 |
| 3週目 | 土台を強化する | ① ドローイン ② バードドッグ ③ ヒップリフト | 3種目全てに挑戦。各種目の正しいフォームを意識し、回数は無理のない範囲でOKです。 |
| 4週目 | 習慣化する | ① ドローイン ② バードドッグ ③ ヒップリフト | 3種目を生活の一部に。朝起きた後や、夜寝る前など、時間を決めて行うと習慣にしやすくなります。 |
腰痛筋トレに関するよくある質問(Q&A)
最後に、よくいただく質問にお答えします。
Q1. 痛みがあるときも、筋力トレーニングをやっていいですか?
A1. 強い痛みや、動かすと痛みが悪化する場合は中止してください。この記事で紹介した運動は負荷が低いものですが、原則として「痛気持ちいい」の範囲を超えないようにしましょう。不安な場合は、まずかかりつけの医師に相談してください。
Q2. 筋力トレーニングは、いつやれば効果的ですか?
A2. いつ行っても効果はありますが、体が温まっているお風呂上がりなどがおすすめです。また、毎日同じ時間に行うと生活リズムに組み込まれ、習慣化しやすくなります。
Q3. ストレッチとの違いは何ですか?
A3. ストレッチは硬くなった筋肉を「伸ばす」のが目的で、筋力トレーニングは弱い筋肉を「強くする」のが目的です。腰痛改善にはどちらも重要で、筋力トレーニングの前後にストレッチを取り入れると、より効果的です。
まとめ:あなたの腰痛改善は、今日の小さな一歩から
もう一度、大切なことをお伝えします。デスクワークによる腰痛改善の鍵は、闇雲に腹筋や背筋を鍛えることではありません。
- 体を支える土台である「インナーマッスル」から鍛えること。
- そのために、まずは安全な3つの運動(ドローイン、バードドッグ、ヒップリフト)を、正しい順番で始めること。
- そして、焦らずに継続すること。
もう情報に迷う必要はありません。あなたには、整形外科医である私が認める、安全で確実な道筋が示されました。あとは、小さな一歩を踏み出すだけです。
まずは今夜、ベッドの上で結構です。この記事を閉じたら、仰向けになって「ドローイン」を10回だけ試してみませんか?それが、あなたの30日ロードマップの輝かしいスタートです。
参考文献リスト
本記事の作成にあたり、以下の専門機関の情報を参考にしました。
- 済生会: 「腹筋運動が腰痛の原因に!? 正しい筋トレしていますか?」 (https://www.saiseikai.or.jp/medical/column/correct_training/)
- MEDIAID Online (日本シグマックス株式会社): 「『腰』の痛み対策。筋トレ・体幹トレーニングのすすめ」 (https://www.mediaid-online.jp/clinic_notes/information/314/)
- オムロン ヘルスケア株式会社: 「腰痛改善のための筋トレ・ストレッチ・ツボ押しなど自宅での対策法」 (https://www.healthcare.omron.co.jp/pain-with/back-pain/prevention/)



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